お客様の声は、検討中の相手が「自分の会社でもうまくいきそうだ」と感じるための後押しです。ところが、いざ書こうとすると「便利になった」「満足しています」といった当たり障りのない一言で終わってしまいがちです。このページでは、B2Bでそのまま下書きに使える業種別の文例と、伝わる声を組み立てる書き方の型、あわせて依頼のコツをまとめました。
掲載した例文はすべて見本用のダミー文です。自社の商材に合わせて言葉を入れ替え、必ずお客様本人の確認を取ったうえでお使いください。
伝わる声は、課題→変化→ひとことの3ブロックでできています。
良いお客様の声には共通の骨組みがあります。「導入前にどんなことで困っていたか」「導入して何が変わったか」「いま感じていること」の3つを順番に置くだけで、短くても説得力のある文章になります。難しく考えず、次の穴埋めに沿って書き出してみてください。
【書き方の型(穴埋め)】
「導入前は〔 困っていたこと 〕でした。〔 サービス名・取り組み 〕を始めてからは〔 変わったこと 〕になりました。〔 いまの実感・これからの期待 〕。」
【穴を埋めた例】
「導入前は月末の請求書づくりに毎回残業が発生していました。仕組みを整えてからは、締め日の翌日には発行が終わるようになりました。数字の確認に追われる月末がなくなり、助かっています。」
※見本用のダミー文です
読み手は、自分と同じ悩みを持っていた相手の言葉にいちばん反応します。「業務が非効率だった」のような抽象語ではなく、誰の・どんな作業が・どう滞っていたかまで下ろすと、その後の変化が引き立ちます。
「便利になった」で止めず、何が、どんなふうに変わったかを書きます。作業時間、対応件数、引き継ぎのしやすさ、確認の手間など、目に見える動作に落とすほど信頼が増します。実数を出せる場合だけ数字を添え、根拠のない数字は書きません。
最後に、話し手自身の気持ちや今後の期待を一言添えると、生の声らしさが出ます。ここは本人の言い回しを残すところです。きれいにまとめすぎると広告コピーに見えてしまうため、多少くだけた表現もそのまま生かします。
いきなり褒め言葉から入ると、読み手は身構えます。困りごとへの共感で引き込み、変化で納得させ、実感で温度を伝える。この流れが、検討中の相手の背中を自然に押します。
課題→変化→ひとことの型で書いた、業種別の文例集です。
以下はすべて書き方の見本用に作成したダミー文で、実在の企業・個人の声ではありません。商材や実際のお客様の言葉に合わせて、言い回しや属性を入れ替えてお使いください。
現場の属人化や、図面・仕様の確認まわりの困りごとが定番です。標準化・見える化による変化を具体的に。
図面や仕様の確認基準が担当者ごとに違い、問い合わせのたびに手が止まっていました。運用ルールを整えてからは、若手でも迷わず判断できます。手戻りが減り、残業も落ち着きました。
検査記録が紙とファイルに散らばり、探すだけで時間を取られていました。一元化してからは、過去のデータをすぐ引き出せます。トラブル時の原因追跡が早くなったのが一番の変化です。
※見本用のダミー文です
情報の一元化や、社内問い合わせの効率化がよく挙がります。「見える化」「対応漏れの解消」を軸に。
社内からの依頼が個人のメールに埋もれ、対応漏れが起きていました。窓口を一本化してからは、進捗が誰からも見えます。「あの件どうなった」と聞かれることがなくなりました。
複数の候補を比べて、最後は導入後の支え方で選びました。質問への返事が早いので、社内からの問い合わせを私が一人で抱え込まずに済んでいます。
※見本用のダミー文です
拠点・現場をまたいだ報告や情報共有の困りごとが中心です。「その日のうちに把握できる」変化を。
拠点ごとに報告の書式が違い、集計に丸一日かかっていました。様式をそろえてからは、その日のうちに全社の状況を把握できます。現場を回る時間を、判断に回せるようになりました。
物件情報の更新が担当者任せで、古い資料が出回ることがありました。共有の流れを整えてからは、全員が同じ最新情報を見られます。お客様への案内ミスがなくなりました。
※見本用のダミー文です
社内合意・稟議のしづらさが課題として多い業種です。「同じ指標で残せる」「説明が通しやすい」変化を。
新しい取り組みを社内に通すたび、説明資料を一から作っていました。成果を同じ指標で残せるようになり、次の提案の説得力が上がりました。役員からの質問にも、その場で答えられます。
稟議に何が必要かまで見越して資料を出してもらえたので、社内の説明は一度で通りました。比較表を自分で作らずに済んだのが、率直にありがたかったです。
※見本用のダミー文です
専門性の伝え方や、繁忙期の対応品質が論点になりがちです。「伝わる形になった」「品質がそろった」変化を。
専門的な内容を自分たちだけで発信するのは難しいと感じていました。要点を一緒に整理してもらえたので、伝えたいことが相手に届く形になりました。問い合わせの質が変わったのを実感しています。
繁忙期は対応が追いつかず、お待たせしてしまうのが悩みでした。手順の型ができてからは、季節の応援メンバーにも安心して任せられます。利用者アンケートの評価も上向きました。
※見本用のダミー文です
上の文例は骨組みを借りるためのたたき台です。困りごとと変化の部分を、実際のお客様が使った言葉に置き換えるだけで、自然な声になります。ただし、実在の声として公開できるのは、本人が語った、または内容を確認して承認した言葉だけです。
惜しい声は、少しの言い換えで伝わる声に変わります。
集めた声が「悪くはないが響かない」ことはよくあります。多くは、抽象的すぎる・褒めすぎる・誰の声か分からない、のいずれかで、次の3つの言い換えで直せます。
言い換え①|抽象語を具体的な動作に
惜しい例:「業務がとても効率的になり、大変満足しています。」
伝わる例:「毎朝の集計に1時間かけていましたが、その作業がなくなりました。空いた時間を、お客様への提案づくりに使えています。」
言い換え②|褒め言葉を「困りごと→変化」に
惜しい例:「対応が丁寧で、とても良い会社さんでした。おすすめです。」
伝わる例:「漠然とした相談にも嫌な顔をせず、論点を一つずつ整理してくれました。おかげで、社内でも話を進めやすくなりました。」
言い換え③|「誰の声か」を最後に添える
惜しい例:(本文だけで、発言者の情報がない)
伝わる例:本文のあとに「建設業・工事管理部 マネージャー様」のような属性を添える。実名が難しくても、業種・部署・役職があるだけで信頼度が変わります。
※見本用のダミー文です
読みやすく整えるのは必要ですが、言っていないことを足す・成果を事実以上に大きくするのは避けてください。信頼を得るための声で信頼を失うと、取り戻すのは簡単ではありません。直すのは誤字や意味の通りにくい箇所にとどめ、最終原稿は必ず本人に確認してもらいます。
良い声は、頼み方の工夫で返ってきやすくなります。
感想を白紙で求めると、相手はどこから書けばよいか迷います。「導入前の困りごと」「決め手」「変わったこと」の3問に分けて渡すと、書き方の型に沿った答えが自然に返ってきます。
短い記入例を添えると、書く量とトーンの見当がつき、負担が一気に減ります。空欄だけを渡すより、回収率も内容の質も上がります。
多忙な相手には、聞き取った内容からこちらで下書きを作り、直してもらう形も有効です。事実にもとづき、最後は本人の言葉として承認をもらうのが前提です。
実名や部署名、写真の掲載可否は、依頼の文面に一項目として入れておきます。原稿確認の段階でまとめて聞くより、行き違いが起きにくくなります。
そのまま送れる依頼文の型です。会社名や商材名を入れ替えてお使いください。
〇〇株式会社
△△様
いつもお世話になっております。
このたび、弊社サービスをご利用いただいたお客様の声として、△△様のご感想を弊社サイトに掲載させていただけないかと考えております。
お手数ですが、下記の3点について、思い出せる範囲でお聞かせいただけますでしょうか。
1. 導入前に困っていたこと
2. 導入の決め手になったこと
3. 導入して変わったこと
いただいた内容はこちらで読みやすく整え、掲載前に必ず原稿をご確認いただきます。実名・部署名の掲載可否も、あわせて教えていただけますと幸いです。
ご協力いただける場合は、〇月〇日ごろまでにご返信いただけますと助かります。
※見本用のダミー文です
依頼は、導入の手応えを相手が感じているうちに切り出すのが基本です。時間が空くほど記憶は薄れ、「良かったです」以上の言葉が出てきにくくなります。断られても関係が崩れないよう、負担の小ささと確認の機会があることを添えて打診します。
書けたら次は、見せ方と、深い一社の声へ。
文章が用意できたら、次に考えるのは「どう見せるか」と「短い声をどこまで深めるか」です。それぞれ専用のガイドで詳しく扱っています。
カード型・引用符型・数字強調型など、同じ声でも見せ方で効き方が変わります。実物の見本はデザイン専用ページで比較できます。
お客様の声のデザイン見本8パターンを見る短い声で反応が具体的だった方には、短いインタビューを打診すると導入事例に育ちます。何をどう聞くかは、質問設計のガイドが役立ちます。
導入事例インタビューの質問設計を見る「良い声はあるが、まとめる時間がない」「深いインタビュー記事にしたい」という場合は、取材から原稿・レイアウトまで導入事例制作サービスでご相談いただけます。
難しい言葉はいりません。困りごと、変わったこと、いまの実感の順に並べ、誰の声かを添えるだけで、検討中の相手に届く声になります。記事に育てたいとき、まとめる手が足りないときは、お気軽にお声がけください。
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