お客様の声は、待っていても集まりません。良い声が集まるかどうかは、聞き方をどう設計するかでほとんど決まります。集め方には大きくアンケート・インタビュー・フォームの3つがあり、それぞれ得意な役割が違います。このページでは、顧客満足度アンケートの設問設計から、依頼するタイミング、断られにくいお願いの仕方までを、B2Bの実務に沿ってまとめました。
「アンケートを配っても薄い感想しか返ってこない」「インタビューを頼みたいがどう切り出せばいいか分からない」という方が、そのまま掲載できる声を効率よく集められるようにすることを目的にしています。
まずは全体像から。方法ごとに得意な役割が違います。
お客様の声を集める手段は、大きく3つに分けられます。数をそろえて全体の評判を見せたいのか、1社に深く語ってもらいたいのかで、選ぶ方法が変わります。どれか一つに絞る必要はなく、まず広く集めて、良い声を深掘りする流れが現実的です。
短い時間で多くの声を集められる方法です。満足度を数値で把握でき、掲載用の短いコメントも回収できます。まず全体像をつかみ、満足度の高いお客様を見つける入口として使います。
課題から成果までの流れを、口頭で深く聞き出す方法です。アンケートでは拾えない背景や具体的なエピソードが得られ、読み応えのある導入事例に育てられます。
サイトや納品後のメールに常設し、日常的に声を受け取る方法です。書きたいタイミングで投稿してもらえるため、こちらから依頼しなくても声が少しずつたまっていきます。
基本はアンケートで広く集め、満足度の高いお客様にインタビューを打診する二段構えです。ここに、常設のフォームやレビューで日常的な声を足すと、量と質の両方が無理なくたまります。まずは回収しやすいアンケートから始めるのが、最初の一歩として取り組みやすい方法です。
設問の作り方で、集まる声の質が変わります。
「満足しましたか」だけでは、次に何をすればよいかが見えません。5段階などの選択式で満足度を数値化し、その理由を自由記述で添えてもらうと、全体の傾向と具体的な言葉の両方が集まります。数値だけでは掲載に使えず、記述だけでは集計できないため、両方を組み合わせるのが基本です。
そのままお客様の声として掲載したいなら、自由記述を一つにまとめず、「導入前の課題」「決め手」「導入後の変化」を別々の設問にすると効果的です。質問を分けるだけで書く側も答えやすくなり、課題から変化への流れを持った、掲載に使える回答が集まります。
設問が多いほど途中離脱が増えます。本当に知りたいことだけに絞り、5〜8問にとどめるのが回答されやすい目安です。掲載の可否や実名の可否は最後にまとめて確認し、答えたくない項目は任意にしておくと、率直な回答が集まりやすくなります。
以下は設問構成の型を示すための見本です。実在のアンケートではありません。自社の商材に合わせて言い換えてください。
Q1. 総合的な満足度をお聞かせください。
(とても満足/満足/ふつう/やや不満/不満 の5段階)
Q2. そのように評価された理由を教えてください。(自由記述)
Q3. 導入前に、どのような課題を抱えていましたか。(自由記述)
Q4. 導入の決め手になったのはどの点でしたか。(自由記述)
Q5. 導入後、どのような変化がありましたか。(自由記述)
Q6. 同じ課題を持つ企業に、当サービスをどの程度おすすめしたいですか。(0〜10の11段階)
Q7. いただいた声をWebサイトやパンフレットに掲載してもよろしいですか。(実名可/匿名なら可/掲載不可)
※見本用のダミー設問です
回答率を上げる工夫|冒頭に「3分で終わります」と所要時間を明記し、選択式を先に、記述式を後ろに置くと着手のハードルが下がります。
集計と掲載を両立|Q1とQ6で全体傾向を数値化し、Q3〜Q5の記述はそのまま掲載用の声として活用します。掲載可否はQ7で必ず確認します。
いつ・どう頼むかで、引き受けてもらえる確率が変わります。
声を依頼するのは、お客様が効果を実感している時期が最適です。導入直後に負担が減った実感がある頃や、目に見える成果が出た節目に依頼すると、熱量のある具体的な言葉が返ってきます。時間が空くと記憶が薄れ、「便利になりました」といった抽象的な感想になりがちです。サポート対応で感謝された直後や、契約更新のタイミングも切り出しやすい場面です。
依頼で迷わせないコツは、相手が判断に必要な情報を先に渡すことです。何のために聞くのか(目的)、どれくらいかかるのか(所要時間)、どこに載るのか(掲載範囲)、断ってもよいこと(任意性)の4点を最初に伝えると、相手は安心して返事ができます。特に「公開前に必ず原稿を確認してもらえる」と添えるだけで、承諾のハードルは大きく下がります。
以下は伝え方の型を示すための汎用的な文例です。実在の依頼文ではありません。
【アンケート回答のお願い】
いつもお世話になっております。
このたび、同じ課題をお持ちの企業様の参考にしていただくため、ご利用中のお客様に短いアンケートをお願いしております。
設問は7問ほどで、3分程度で終わります。いただいた内容は、Webサイトやパンフレットにお客様の声として掲載させていただく場合がありますが、掲載の可否はアンケート内で選べます。実名が難しい場合は匿名でのご掲載も可能です。
差し支えなければ、以下のフォームよりご回答いただけますと幸いです。
【インタビュー取材のお願い】
先日は、アンケートにご協力いただきありがとうございました。
いただいたご回答が大変参考になり、可能であれば、導入の経緯や効果をもう少し詳しくお聞かせいただけないかと考えております。
オンラインで1時間ほど、事前にお送りする質問に沿ってお話しいただく形を想定しています。記事は公開前に必ず内容をご確認いただき、掲載範囲もご都合に合わせて調整いたします。
ご検討いただけますと幸いです。
※見本用のダミー文です
アンケートで拾えない話は、口頭でしか出てきません。
アンケートは数を集めるのに向いていますが、書く負担がある分、深い話までは書いてもらえないのが実情です。「なぜその課題が起きていたのか」「導入時にどんな不安があり、どう解消したのか」といった背景は、口頭でやり取りしながらでないと引き出せません。アンケートで印象的な回答をくれたお客様に短いインタビューを打診すると、そのまま導入事例に育つ深い声が得られます。
インタビューでは、聞きたいことを一度に詰め込まず、課題から成果への時間の流れに沿って質問を並べると、相手も思い出しながら答えやすくなります。相手の答えを受け止めながら「そのとき具体的にはどうされたのですか」と一歩踏み込むと、エピソードが具体的になります。
インタビューでそのまま使える質問リストと深掘りのコツは、導入事例インタビューの質問集で詳しく解説しています。声を記事の形に仕上げる全体の手順は、導入事例の書き方・作り方ガイドを参考にしてください。
集めて終わりにせず、見せ方と深さで価値を引き出します。
集めた声は、そのまま並べるだけでは力を発揮しきれません。短い声はカードや引用の形でまとめて「量の信頼」を伝え、深い声は1社を掘り下げた記事にして「質の信頼」を伝えます。同じ声でも、Web・チラシ・営業資料のどこに載せるかで最適な見せ方は変わります。
集めた短い声は、レイアウト次第で信頼への効き方が変わります。カード型・引用符型・数字強調型など、媒体に合った見せ方を選びます。
印象的な声をくれたお客様は、インタビューで導入事例に育てます。課題から成果までを追う記事は、検討者の背中を押す材料になります。
集めた声のレイアウトに迷ったら、お客様の声のデザイン見本8パターンで、Web・チラシ・営業資料それぞれの見せ方を実物で見比べられます。深いインタビュー記事の制作まで任せたい場合は、導入事例制作サービスで、取材の設計から原稿・デザインまで対応しています。
アンケートで広く集め、満足度の高いお客様にインタビューを打診する。設問と依頼の仕方を少し整えるだけで、そのまま掲載できる声が集まります。集めた声の見せ方や、深い事例への育て方まで、必要な範囲でご相談ください。
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